■NICe東京定例会 第1回 2009年 5月25日
第2回 2009年 6月29日
第3回 2009年 7月27日
第4回 2009年 8月31日
第5回 2009年 9月28日
第6回 2009年10月26日
第7回 2009年11月30日
第8回 2010年 1月30日 (特別) NICe東京定例会レポート
第9回 2010年 2月22日

第4回NICe東京定例会レポート

 






2009年8月31日(月)、リーダーズサロン『なみへい』にて、第4回「NICe東京定例会」が開催された。台風11号が関東地方に最接近した時間帯にもかかわらず、遠く福島県、群馬県、岐阜県、京都府、大阪府、福岡県などからも参加者があり、総勢53名の勉強会となった。


■開会のあいさつ

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第4回のプレゼンテーターを務める
株式会社イーハイブ
取締役 平井良明氏
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NICe東京定例会
実行委員長・佐藤浩司氏
NICe東京定例会の実行委員長・佐藤浩司氏の司会によりスタート。 

ファシリテーターを務める、NICeチーフプロデューサーの増田紀彦氏があいさつ。
「今日はこんな天気にもかかわらず、ありがとうございます。何より、プレゼンテーターの平井さんは、福岡県が本拠地です。しかも平井さんは、選挙情報専門 サイトを手掛けているため、昨日は朝方まで仕事をしていました。にもかかわらず、台風を避けるため、予定より早い便に変更して東京へ駆けつけてくださいま した。そして皆さんも熱い思いを持って集まってくれました。そんな熱い思いを大いにぶつけ合う定例会にしたいと思います。また、福岡ということで、この後 の懇親会の料理では、福岡県岡垣町の澤さんがつくったオクラが出ます。こちらもぜひ、お楽しみに。ですがその前に、お腹がすいたのを忘れるぐらい、熱い意見交換をしたいと思います。
まずは、平井さんのプレゼン、その後、事業そのものについての質疑応答をします。そしてプレゼンテーターから皆さんへのおたずねがあります。活発なご意見をいただきたいと思います。

それから、実は今すでに始まっていますが、今日はこの定例会の様子を、NICeで実況中継しています。生中継です。定例会に参加できないNICeな皆さんに見ていただけているかなと思います。ですので、なるべく上品な言葉使いでお願いします(笑)」
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 NICeチーフプロデューサー 
増田紀彦氏
■プレゼンテーション&質疑応答
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拍手とともに、株式会社イーハイブ取締役の平井良明氏が登場し、自身のプロフィール紹介からプレゼンテーションを始めた。今期で創業14年目を迎え、学生起業家の先駆者的な存在でもある平井氏は、現在、ブログに特化したシステム開発のほか、東京・福岡では毎月セミナーを開催している。今回のプレゼンのテーマは、自社開発のブログシステム『COMLOG(コムログ)』について。まず、ブログとはどういうものか、情報発信ツールであるブログが現代社会でどのような位置付けにあるのか、という話からスタート。

プログとはWebサイトの一部であり、Webサイトとは広告の一部であると前置きをしたうえで、これまでの広告(テレビ、ラジオ、クチコミなど)が消費者の行動にどのような影響を与えていたか。それがITの普及により、どのような変化をもたらせたかについて説明した。これまでは、テレビなどで得た情報をもとに、消費者は店なり企業へ足を運んだ。しかしIT化により、消費者は広告で知り得た情報を、ITで確認する時代になってきたという。さらにはキーワード検索で、能動的に情報を収集するようになり、より深く確認する時代になっていることを認識してほしいと述べた。

そのうえで、いかに検索にヒットさせるキーワードが重要かを具体的な事例で紹介した。例えば、エステ。このワンワードに、「渋谷」を加え、さらに「駅前」を加え、「まつげパーマ」を加えるとアクセス数はどうなるか。また、「東京 フレンチ」と「東京 フレンチ 看板」では、検索目的が異なり、検索側の属性も異なってくる。ほかにも、「ジャグジー」と「ジャクージ」の関係のように、誤った言葉のほうが広く認識されている場合は、いくら「ジャクージ」が正式名称だからといっても、
検索キーワードに入力されないために、アクセス数は落ちてしまう。このように、情報発信する側は、消費者の立場に立ったキーワード選択が非常に重要であると語った。
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この検索キーワードをアクセス解析により最適化させ、SEOもCMSも網羅し、情報発信者に作業負担なく、ビジネス活用できるブログのポータル運営システムが、平井氏が展開している『COMLOG(コムログ)』だ。実際に『COMLOG(コムログ)』を導入している、国会議員のブログポータルサイト、地域商店街のブログポータルサイトなどを例に紹介。一般的なブログやWebサイトとはどう異なるのか。またどのような効果があるのか。情報発信する経営者や担当者のITスキルや手間はどう軽減されるか。閲覧するユーザーにはどのようなメリットがあるか。アクセス数の伸び、月間PV、運営側の作業時間が月間で約2時間などの具体的な数字も含め、導入・運用実例を示しながら説明した。最後に現在、平井氏が抱えている課題として、『COMLOG(コムログ)』の知名度がまだ低いこと、新たな使用法、運営先を模索していることなどを挙げ、プレゼンテーションを終了した。
   

増田氏「では、前半はこのサービスや仕組みについての質問、ご意見を。また後半は、使い方に付いての提案をお願いします。運営の作業 時間が月に約2時間というのはキーワードかなと思いました。ポータルを運営している人の手間がかからない。それなのに効果がある。各人が書くブログからう まく地域名やキーワードを拾い上げ、ポータル運営者は作業時間が短く、いいビジネスができると。そういうことですね。ではまず、質問は?」

下崎氏「CMSに興味を持っています。具体的にキーワードとSEO対策と直接どのように結び付くのですか?」
平井氏「まずテンプレートを加工していただければ、普通のホームページのように見えます。実際には、情報を発信していくことがSEOには必 要になります。SEOというのは、本当はお金がかかるものではないのです。ビッグワード(※検索数の多い単語)を買いまくって広告を出せばもちろん大層な お金がかかります。例えば中古車なら、「中古車 福岡」だけではなかなか情報に行き着かないので、車種名を入れますよね。そうすると、SEO業者は車種名 ごとにキーワード料金を支払うことになります。これでは大変です。ところがそうではなく、年式、型式、マイナーチェンジ前とか後とか、「車」といってもい ろんなキーワードがありますよね。そういう単語は、中古車会社自身がいくらでも持っていると思うんです。例えば、何年式の何々はこういうメンテナンス方法 がありますよと。その情報を簡単に出す方法を考えた時に、ブログというツールが有効なんです。たとえば、四柱推命師さんが初めてホームページを持たれて、 プログを書きました。3日目で、「福岡 四柱推命」で、大手検索サイトで1ページ目にヒットするようになったのです。情報をどう出すか、ターゲットに向け どう出してくかを考えていけば、SEO業者に頼むのではなくて、コンテンツをどう生み出していくかが中心になってくるのです。その時にCMSというツール を使って、ラクに情報を発信しないと長続きはしないのです。ホームページをつくるというよりは、ブログでどんどん情報を発信して欲しいと思います」
増田氏「端 的に言うと、四柱推命でも中古車屋さんでも、その道に詳しい人が、その人だからこそ書けるような、逆に言うと検索してくる人の答えになるようなことをどん どん更新していること自体が、ランキングを上げているということなのですね。キーワードが引っ掛かるようなことを、そういう人達は自然に書けますからね。 それを検索で見つけてくるのですね」
平井氏「そうです」

菊池氏「質問なのですが、政治家ブログや商店街の事例がありましたが、運営しているのは、それぞれの代表ですか? それとも御社で?」
平井氏「そ の2つに関しては、たまたまうちで運営しています。たとえば、政治家さんのサイトでいうと、サイトを提供して、いわゆるレンタル で貸し出して、議員の皆さんがブログを書いて更新しているということです。ポータルを中心に、ここは政治家専門のブログですよ、ということで表に出してい ますので、外から見ると、政治家専門ブログに政治家が集まって書いているように見えます。ただし、一人ひとりの議員のページを見ると、一人ひとりにブログ がある、ホームページがある、ということなのです」

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菊池氏「ということは、御社に参加料みたいなものを支払い、運営をしてもらっているということですね」
平井氏「そうです。ただ、このシステムは福井県と茨城県にも導入していますが、そこでは地域のホームページ業者さんなどが、それぞれの地域のお客さんを集めて運営しています。うちは直接運営せず、システムを提供しているだけです」
増田氏「いい質問でしたね。運営を全部、平井さんの会社で行なっていたら、たぶん今日ここで話をする時間などないでしょう。平井さんが考え ていることは、こういうことをやると非常にいい成績のポータルを運営できますよと。地域や業界だとか、たぶんこの後の時間で、参加者の中にこのようなシス テムを運営するところはないですか? というような問いかけがありますよね。他にご意見やご質問は?」

武田氏
「2時間で運営している、というのが一番の売りだとことですが、なぜ2時間でできるのですか? また、コンピュータの素人でも運営は可能なのですか?」
平井氏「なぜ2時間でできるかというと、うちが営業していないから、というのが一番の理由です。実例で紹介した政治家ブログポータルは、政治さんにメールを出して、もしくは紹介で参加していただいているので、いちいち説明に伺っていません。参加申し込みがあった時に、受付けをして、IDとパスワードを送る、それで2時間です。福岡の地域ブログポータルに関しても同様です。システムがちゃんと動いているか確認したり、書き込まれたブログに対してコメントを付けたり。それを含めて2時間で運営しています。もちろん、地域ポータルをやられる方は営業して、お客さんに入ってもらわないとなりません。それは必要ですが、サイトの運営管理作業時間としては月間2時間です。もっともショップさんや議員さんや商店の方がそれぞれ自分で記事、つまりブログを書く作業は2時間でなくもっとかかると思います。記事を考え、テキストを書くわけですから」
増田氏「それに関して質問ですが、問題のあることを書いている人がいた場合は? 人力でチェックしないといけない作業があると思うのですが、その辺りの作業はどうなのですか?」
平井氏「免責事項には記していますが、記事に関してはうちが責任は負いません。もちろん、全体を取り仕切って、法的、公序良俗に反しないようには見ています。ただあくまでもそうなった場合の話であって、頻繁にチェックしている状態ではありません」
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相澤氏「これからさらに情報はたくさん発信されていくので、当然いろんな方が自由に書いていくと思います。今後、ポータルで他にライバルが出てくるとしますよね。じゃこっちのポータルに入るか、あっちに入るのがいいのか、ということが起きてくると思うんです。その時に、管理している側が、うちの方がブランド力は高いですよ、というように、ブランドを発揮しないとたぶん選択肢に残っていかないと思うんです。そのあたりを管理者として、どうお考えでしょうか」
増田氏「そもそも、それほど難しい仕組みではないですよね。ということは、技術的な障壁がない。競合は出てこないのか。加えて相澤さんのおっしゃるブランディンについて、平井さんお話しください」
平井氏「確かに、ブログというツールだけからすると、他にもあります。ただうちの特徴としては、ポータルを中心に動かしているということです。このポータルを持っているシステムは、世の中にそんなに多くはないです。同じようなものが出てきたら、ということですが、福岡県の地域ブログポータルはすでにあります。そこは300?400人の登録者がいて、圧倒的にうちよりも数は多いです。ただ、うちのほうへ移って来る人もいます。なぜ移るのかというと、うちのほうは福岡ショップ情報局ということで、切り口を用意しています。いわゆるBtoC、消費者相手の情報をお持ちの店舗さん、しかも消費者相手に情報をどんどん出していくという切り口をつくっています。つまり、切り口をどう切っているか、だと思います。同じポータルでも、たとえば東京で弁護士さんだけに特化した、税理士さんだけに特化した、そういうサイトはいろいろあると思うんです。やはり一番大切なのは、運営側がどこに顔が効くか、ということだと思うんです。そういった特徴を持っていれば、特に競合が出てきても困ることはないんじゃないかと」
増田氏「参加者のゼグメントをすごく徹底しているんですね。技術的な障壁というよりも、ルールとか考え方のね。でも、これもマネしようと思えばできます。ですが、マネすればいいんですよね。こういうのって、目からうろこじゃない、当たり前のこと、コロンブスの卵、のようなものですね。ショップだけに絞ればいいと。なるほどなぁと思っても、意外と他ではやっていなかったことかなと思います。確かに検索する側に立つと、何か欲しくて検索したのに、上位にヌルいブログがあったりすると、ううう??と思いますよね」

戸田氏「ビジネスとして収益を上げていくのはコムログの数をさばいていくことが必要だと思うのですが、システムを売るだけでなく、逆にノウハウとか。それを御社自身が手掛けることによって、スポンサー収入を得るのはどうかと思うのですが、そのへんを志向されていませんか?」
増田氏「収益のありようについてですね」
平井氏「も ともとうちはシステム会社で、システムはよくつくれるんだけれど、営業はできないという会社です。基本的に東京に今ひとり営業兼システムの藤田君がいるの ですが、他スタッフ10人ぐらいは営業ができない、提案もできない。システムをつくることはプロですが、そういう会社です。私ひとりがほとんど営業へ行っ たりセミナーで話をしたりしています。そこでノウハウを利用した場合、相手の会社に付きっきりにならざるを得ないということが一番大きい問題になります。 うちがすぐ収益を得るというよりは、うちのシステムを使っていただいて、まずはその会社がちゃんと収益を上げていただきたい、というスタンスでシステムを 提供しているので、逆にうちのシステムをどう使うかという提案はさせていただきますが、システム利用料だけでいいと考えています。そのうえで、ちゃんと収 益を上げてください、というビジネスモデルを提案させていただいていますので」
増田氏「さきほど話に出た、システムを提供して平井さんの会社は運営にはノータッチなケースでは収益を上げていますか?」
平井氏「まだ始まって2カ月ですので。ただ、損はしていないでしょう。短期的に考えればマイナスかもしれませんが、半永久的に使っていただけることを考えると、マイナスはないと思います」

増田氏
「ま だ新しいサービスなんですね。さあ皆さん、どういうものか、仕組みはわかりましたね。システムは平井さんの会社でつくっている。運営ノウハウもある。その システムを使うと、たくさんのブログによる、非常に検索率が高いポータルができる、ということですね。では、どんな使い方があるのでしょうか。平井さん、 もう一度、皆さんへのおたずねをお願いします」
平井氏「これまで提案した一覧をご紹介します。提案先 としては、旅行代理店さん、地域ポータル、大手スーパー、専門店街、商店街、農業漁業の生産者。弁護士や税理士。さらに芸術家、飲み屋さん、イベント関 係、美容院、病院。病院は広告の規制があり、看板に診療課目しか書けないなどの制約があるんです。だからブログは有効です。他に芸能プロダクション。タレ ントさんのブログは多いですが、ブログ会社の管理下にあるので、プロダクションが自社のコンテンツとして管理したらどうかという提案です。また、フリー ペーパー、コミュニティ放送。番組ごとの情報を中に貯めていくことができます。このような提案を各所にしています。これ以外のどのような業種、組み合わせ が考えられるでしょうか」
増田氏「業法で広告規制のある業種って意外とあるんですよね。それを個人のブログとして書く分にはかまわないのですね。なるほど。では皆さん、ここから頭を使っていただきたい。こんなのはどうかな、こんなグループにこの仕組みは使えるんじゃないか。どうですか」
北出氏「介護と保育園。事前に知りたいですね。子どもをどこに預けられるか。親をどこでみてもらうか」
増田氏「そうですね。高齢者市場は大きいですね。ちなみに検索する際、介護、その後にどのようなキーワードを入力しますか?」
参加者「地域」「格安」「施設」「空き」
増田氏「保 険 はどうですか? 工務店で手すりを付けたら、後から保険がきくと聞いて、えええーーそうなの!残念!みたいな。情報を探して いる人は、いろんなキーワードを打ち込みますよね。今言った工務店も、それに応えられる情報を発信できるでしょう。そういう狙い方もできるかも知れません ね。介護に関連する業界は多いのではないでしょうか。サービスも含めて。ほかに、介護ブログに入れそうなものありますか」
山里氏
「実際に私は探しましたが、介護用品の販売とレンタル。比べたかったのです」
滝川氏「靴屋さん」 
石井氏「車屋さん」
増田氏「そうですね。靴、装具、福祉車両もニーズがありますよね。石井さんは手掛けていますか」
石井氏「福祉車両のレンタカーの取り次ぎをしています」
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増田氏「ではもうひとつ、北出さんの発言にあった保育。この保育に、どんな組み合わせが考えられますか」
参加者「時間」「地域」「何歳からか」「空き」
増田氏「空きは人気のキーワードですね。ほかにどうですか」
参加者「時間」「給食」「病児保育」
増田氏「英会話なんかも組み合わせられますよね。保育しながら教室とかね。結構わかってきましたね。ひとつのキーワードを出すと、関連する いろんな業種が想定できる。ポータルを運営する人は、そこをうまーく拾い出して営業していくことができますね。介護、保育、いけそうですね。ほかにどうで すか?」

菊池氏「ちょっと違う方向かもしれませんが、たとえば大手飲食チェーン店。そこに営業して、店長ブログなどはどうでしょう」
増田氏「面白い!」
平井氏「実は30店舗ぐらい展開しているパチンコ屋さんに利用してもらっています。どういう企業なのか、今ひとつ表ではわかりにくいというか。それで、店 長さんはどんな人なのか、どんなことを思っているか、店長さんが日記を書いています。イベントの案内やお客さんからのコメントに対してとか。実はそれまで は本部の人がやっていたんですよね。今までは本部がホームページを持っていて、各店舗のイベント一覧などをつくって載せていました。ですが、今は各店舗か らわざわざ情報を集めなくても、各店舗のブログに書かれた情報をトップページで集約して一覧にできる。便利で、なおかつ検索にかかるキーワードもたくさん 出てきます。こういう業界でも使われています」
増田氏「いいですよね。広報の予算削減にもなるのではないでしょうか。広報という意味に加えて、日報みたいにリアルに情報が本部に集まる。多店舗展開して いるような企業は、それでチェックもできる。まぁチェックされていると思うと、きれいごとしか書かなくなるということが少しは気になりますけれどね」
平井氏「店長さんがITに詳しくないので、副店長さんが、店長観察日記と題して書いているところもあります。料理屋さんでもたとえば、福岡の有名なお祭 り、博多山笠があります。朝早いイベントなので、帰りにお店に寄って下さいとか朝からお店を開けています、という情報は、博多の店でないと意味がない。 チェーン展開しているような本部のホームページでは一般的なことしか載せていないので、なかなか発信はできませんが、店舗ごとにブログ発信することによっ て、お祭りの名称で検索に引っ掛かるようにできます」

増田氏「チェーン店はありますね。パチンコ、居酒屋。ほかにチェーン展開している業種でどうですか? 利用者として」
長谷川氏「賃貸物件の不動産チェーン」
増田氏「見たいですよね。本当のところどうなのだろうな? みたいな業界。そこの店長ブログとか当たるかも知れませんね」
小杉氏「もう少し細かくして、 営業職のブログとか。保険とか訪問セールスなど。こんなお客さんに会えました、とか書いてあると、個性に出会えて、こういう人から買いたいとか」
増田氏「保険屋さんね。僕に送られてくる外資系の保険営業のAさん、Bさん、Cさんのメールが、みんな同じ内容だったりします(笑)。本部が書いたものを自分の名前にして送ってくるので、そういうことになっちゃうんですよね」

藤原氏「自動車学校はどうでしょう。来る人に対するブログなので、車屋さん、カー用品屋さん、試験問題関連とか」
増田氏「面白い発想ですね。ビジネス的に言えば青田買い、囲い込みのご提案ですね。将来、車関係で出費する人を早い段階からかかえこもうと」
平井氏「通学している人は既にホームページを見て知っているので、これから通う人が見るかも知れませんね。どこがいいか、金額とか、どんな先生がいるかと か、丁寧に教えてくれるか、卒業するまでのスケジュールとか。チラシ一枚ではわからない世界なので、情報を出せるサイトになりますね。もちろん通っている 最中にも読むことができますしね」
増田氏「教官ブログみたいになっていて、車のパーツ屋さんとかもかかわってくる。先生たちの話は面白いでしょうね。他にどうですか?」

田村氏「今の藤原さんのご意見で 思い付いたんですが、学校の先生。今、少子化で、特に東京や大阪の電車の中の広告は学校一色です。しかもそんな校名知らないよ、みたいな。イメージアップ のために学校名を変えたりもしていますし。ところが、受験のためのパンフレットを制作している知り合いがいて、学校の先生方は商売っ気がないのか、いいも のをどうつくるかをわかっていないと。パンフレットを見ると質も低いんですね。これから受験で、親や子どもが何を基準で学校選びをするかというと、よほど 有名校でない限り、どんな面白い先生がいるか、どういうことを教えてくれる先生がいるか、どんなキャラの先生がいるか。教育的な内容ではなくて、どんな面 白い先生がいるかというのを基準に、私だったら選ぶんじゃないかと」
増田氏「専門学校がいいのかな。先生ブログを見るのは親でしょうか、子どもでしょうか」
田村氏「普通の私立中学は親でしょうね。高校ぐらいだと両方」
平井氏「パンフレットは、こういう先生がいるというだけになってしまいますね。ただ問題がひとつあるとすれば、先生もいろんな先生がいて、学校側も出して いい情報かどうか。また、学校というのは個人情報が含まれてくるので、そのあたりの情報管理が必要だとは思いますが、こういう先生がいます、こういうのが 得意です、というのが出せたほうが、生徒として父兄としては面白いと思いますね」
増田氏「逆に、ユーザーはどういう検索をしますかね? 私、最近受験していないのでわからないのですが(笑)。どうですか? インターネットでどう学校を検索するんでしょうね」
山里氏「中高だったら部活動。この学校に入ったら、将来何をやりたいとか」
増田氏「昔はオレンジ色の分厚い本があって、学校名、偏差値、受験日が書いてあって。あれでかっこいいのと偏差値で選んだけど。他の基準は?」
山里氏「女の子の場合は制服」
増田氏「制服はありですよね。ユーザー側は先生ということで選びますか? どうでしょう」
北出氏「先生で選ぶのなら、塾がいい」
増田氏「なるほど。学校を選ぶ時に先生を抽出するようなキーワードを入れるのは、まだ大変なのかなという気もするけれど、逆にいうと、そういう文化を創り出すのは面白いですよね。一方で塾はそうですよね。先生の力量次第ということもありますからね」
新井氏「大学だったら、研究内容とか中身で選ぶ学生さんも多いと思うのでいいと思います」

増田氏「平井さん、どうですか。先生というのはブログを書いてくれるのでしょうか」
平井氏「先生によっては書いてくれるのですが、大学に提案していた時に、学会発表や総会が年2回あるので、発表された論文とかを載せてもいいし、研究内容 を出してくださいと提案したのですが、先程も田村さんが言われたように先生方というのは商売っ気がないというか、見てもらおうと思っていない。学会でひと つ論文が書ければいい、それが名誉のような。なかなか出されない方が多いですね。年1回まとめて出すとか、何年か一度に一覧表とか」

中島氏「使う側からすれば、比較して調べたいので、競合が並んでいたほうがいいように思うのですが、なかなか現実的に厳しそう。FCのような本部があるような仕組みだと取り入れやすいかなと。たとえば、美容院とかエステとか、個別で指名が入るような、人気を競うようなところなら、ひとり一人書くことが集客にもつながって、選ぶほうもどういう技術が得意かとかで、同じ店舗とかチェーン店とかだと展開がしやすいかなと感じました」
増田氏「なるほど。みなさんの話を聞いていて段々とわかってきました。まず検索する人がいる。それは何かを求めている、つまりニーズがあったり課題があったりする人です。買いたいとか、何かして欲しいとか。それを探してくる側と、それに答えられるグループがいる。しかも何かを書くということを、いとわないような立場、意識の人たちです。こういう両者を引き合わせないと、このポータルは成立しないのだと。そうすると、やはり事業者というのは強いでしょうね。一方、さきほど出た学校の先生やの自動車学校の教官に書かせるのは大変かもしれないですね。ニーズはあるけど、答えられるかどうか。マッチングしていったバランスがいい組み合わせだと成功するかもしれないですね」

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寺田氏「書くのってすごく面倒くさいじゃないですか。ポータルを運営してくれるところに電話したら、書いてくれるサービスとかはどうでしょう」
平井氏「システムを運営する会社がサポートを含めて、そういうサービスを提供されるのはアリだと思います。たとえばファックスで送られてきたもの、メールで送られてきたものを原稿として書き直して送る、というサービスまで含めて、うちのシステムに乗せて提供するというのはアリだと思います」
増田氏「あるいは執筆代行の人を紹介するとか」
石田氏「股関節の手術で長く入院していたので、股関節に関するポータルがあればすごくいいと思いました。入院ブログなんかあるといいなぁと。たとえば私でいうと、松葉杖が必要とか、前開きパジャマ欲しいとか、コップはフタ付きのものが欲しいとか、必ず入院準備で必要なものがいっぱいあります。皆さん、楽し気に買うんですね。それをブログに書いていたりするんです。売っている業者さん、福祉用品の人などもいっぱい集まるなと思って、それを一括で検索できればすごいいいなぁと。それと、病院の先生は書かないと思うのですが、栄養士さんとか最近書き始めていて、大手SNSでも書いているんですよね。私も入院中の食事を毎日写真撮って書いていたのですけれど、それを私と同じ手術で入院する人が見て、メニューがわかって便利でしたと言われたんです。栄養士さんが、なぜ今このメニューなのかとか、今はこの季節だからこのメニューにしている、とかを書いていたりとか。病院のサービスの一環みたいなものがブログでわかる。入院というキーワードにしたら、いろんな業種の人が入ってくるなぁと。もし半年前にあったらすごく便利だったと思いました」
増田氏「石田さん、やったら? それをやってくれる人を平井さんは探しているんです」
石田氏「すごくたくさんリンクを貼っている人っていますよね。そういう方は超やる気があるので。そういう人に問い掛けるというのもアリかなと思います」
増田氏「困っていること、病気なんか特にそうですけれど、ネットでもかなり珍しい病気でもコミュニティができているので、そういうところを探っていく発想もあるのでしょう。

さぁ時間がだいぶ過ぎました。平井さんのシステムは、皆さんもわかったように、リアルなキーワードで、できれば頻繁に更新できる専門性のある人たちのブログをたくさんつけて、それを束ねることで、検索結果を上に上げていくブログのポータルです。これを使っていくことで、ビジネスチャンスを広げるということです。平井さん自身のヒントになったと思いますし、オープンにしていますので、私も運営ができる。こういうアイディアでやりたい、という方はこの後ぜひ平井さんと話を進めていただければと思います。ありがとうございました」

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■PRタイム

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竹下左千男氏
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加藤理恵子氏
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寺田勝紀氏
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武田悦江氏
●竹下左千男氏/ 島根県の出身で、出雲大社にお茶を献納している、明治44年創業の株式会社原寿園(はらことぶきえん)東京営業所所長。出雲発祥の甘味「ぜんさい」を広め るため、東京日本橋三越前のアンテナショップ「にほんばし島根館」で店頭販売行なうとPR。「ぜんさい」はその昔、神在餅(じんざいもち)という名前だっ たが、訛りで「ずんざい」と呼ばれているのを聞いた京都の人が「ぜんざい」と言い伝え、全国に広まったというストーリーも披露。また、ライフワークとして 「島根県をメジャーにする会」を立ち上げ、11月には「なみへい」でイベントを開催。島根県内の食材を使った逸品でおもてなしします!と来店を呼びかけ た。
●加藤理恵子氏/ 岐阜県からの参加。20歳と18歳の子どもを持つ母親でもあることなど、まずは自己紹介。現在は設備の図面設計の仕事に就いているが、2011年3月には 雑貨のネットショップをスタートする予定だと語った。
20090911165432.JPG この日にちょうど仕上がった試作品(ロゴを食器に印刷)を披露し、「将来、商品がお客さまの家に届い た時に、駆け足で受け取りに来てくれるような、心待ちにして下さるようなショップにしたい」と意気込みを語った。「こころが伝わる雑貨を集めたショップ」 をテーマに起業準備中で、いろいろあると思うが楽しんでがんばっていきたいと、応援支援を呼びかけた。
●寺田勝紀氏/ 大阪府からの参加。「流行るお店は僕に任せておけ」のセミナーでお馴染み、NICe大阪定例会の実行委員長でもある。昨日、鹿児島県指宿市で創業塾の講師 を務め、大阪を経由して東京定例会に出席したことなどを述べた。同じくNICe大阪定例会の3人のコアメンバーも今回参加してると紹介し、「元気者の永山仁さん、有名人の滝川友花さん、僕より年下の目次哲也さんです、よろしくお願いします!」と仲間のこともしっかりアピール。
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   滝川友花氏     寺田勝紀氏、目次哲也氏、永山仁氏
●武田悦江氏/福島県からの参 加。お土産に持参した二本松市の銘酒「奥の松」の一升瓶を抱えながら、11月1日に開催される「NICe交流会in郡山」をPR。自身は埼玉出身で、郡山を知らず、 移住するまでは田舎だと思っていたが、東京から新幹線でわずか1時間半だとアクセスの良さも強調。開催場所は郡山駅前のビッグアイで決定。屋上にはスペー スパークなどもあるので、ぜひ来場をと参加を呼びかけた。お土産の日本酒は、この後の懇親会でふるまわれた。

■奇跡のNICe報告

ここで、8月5日に開催された「NICeとわだ」実行委員長・上久保留美子氏を増田氏が紹介した。
増田氏「8月5日に、NICeメンバーはひとりもいない青森県十和田市で、60人集めた上久保さん紹介します。十和田の出身で、開催3週間前から地元に入り、頑張ってくれました。今後、和歌山、姫路、福山、熊本、郡山、京都、名古屋、埼玉そのほかもろもろの地域でNICeイベントが開催されようとしています。各地ともに盛り上がってきましたが、各地の皆さんにいいエネルギー与えたと思います」
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上久保留美子氏
上久保氏「(南部方言のイントネーションで)青森ではインターネットが使えず、パソコンを天井に向けて、電波を拾いながら何とかイベントをやりました。セ ミナーってなんだべ? というところで、普段でも集まって30名のところ、60名もの皆さんが集まってくださいました。こういうものがあるんだと楽しんで いただけました。私にとってもいい機会だったので、これからもやっていきたいと思っています。それから10月16日に『なみへい』で、東京に暮らす青森の 方々と、十日町の池田美佳さんと一緒に、東京から 地域物産で地域おこしをする企画を行います。ぜひご参加ください」

■交流会

群馬県から参加した齋木恵津子氏の乾杯の音頭で交流会がスタート!!

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20090911165552.JPG20090911165559.JPG 本日の料理も、料理人鈴木信作さんの自信作7品。福岡県産おきゅうと胡瓜のポン酢和え、福岡県産(生産者・澤曉史さん)無農薬オクラ 梅マヨネーズあえ、福岡県産 博多のひと口餃子の水餃子仕立て 葉行者にんにく添え、北海道産 さんまのあぶり焼き、長野県東御市産 無農薬野菜とペンネジュノベーゼ、国産豚肉の角煮、特製おにぎり。
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定刻22時を迎えお開きの時間に。大阪府から参加した滝川友花氏のあいさつと、個性的な“アントニオ猪木締め”で、台風も吹き飛ばした勢いのある第4回東京定例会は幕を閉じた。
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実況映像
http://www.ustream.tv/channel/nice0831


撮影・取材・文/NICe編集委員 岡部 恵